Qactus(カクタス)
ギター挫折者と未経験者を救う、ギター演奏アシスト特許ツール。難しい曲も楽しく練習できて、いつの間にか上達することができます。楽器演奏経験ゼロでもわずか数時間の練習でアコギ弾き語りが可能。音楽知識も不要です。
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既にアップされているQactusCoreを見てみると、「不協和音」さえセーフとされている場合があります。 たとえばこれ。
これが、「B7」のコードフォームとして使用されているQactusCoreが既に公開されています。
しかしながらこのフォーム、いざ奏でてみると、世にも不快な「不協和音」になります。
ではなぜこれが「セーフ」とされ、QactusCoreにアップされているのでしょうか。
せっかくなので、ここで出てきた「B7」のコードを使い、「かなり極端な方法」で「B7に調和するフォーム」を特定してみます。
これまでの集大成という意味で、おさらいも兼ね、ひとつずつ噛み砕きながら進めていきますね。
まず「黄色い部屋」「赤い部屋」「グレーの部屋」それぞれに、「B7」の記号を分解し、振り分けます。
この図により、ひとまず「黄色い部屋」には「B」が収まりました。
一方の「赤い部屋」は「空室」なので、「コード解読表」上にて、この2色の部屋を照らし合わせ、「B」のコード構成音を特定します。
これにより、「B」コードの構成音は「シ」と「レ#」と「ファ#」ということになります。
しかしながらここまで特定できたのならば、「グレーの部屋」のほうも同じ要領で特定してしまいましょうね。
これで、「B7のコードに調和する音」は「シ」と「レ#」と「ファ#」と「ラ」ということが判明しました。
何も切り捨てていない、正真正銘の「B7」のコード構成音であります。
さあ、いよいよこれをもとに、ギターの指板上で「調和する音」をすべて探し出しましょう。
ここから、「B7のコードに調和する音」、つまり「シ」と「レ#」と「ファ#」と「ラ」のみをピックアップします。
この図を見つつ進めていきますが、「ステージ2-3」のくだりに、ギター指板上への置き換え方についての記載がありましたよね。
重要な部分なので、もう一度ここで紹介します。
これに従って進めば、たとえ「音楽のしくみ」を理解していない人でも、必ずギター指板上でのコードフォームを導き出すことができます。
まずは「1」に従い、「調和する開放弦」を抜き出しましょう。
「2弦」の「ラ」、と「5弦」の「ラ」が、それぞれ調和するので、この2本の弦には「指を置かない」ということが決まりました。
続いて、残る4本の弦について進めます。 「2」に従い、なるべくQactus側に近いフレットで構成音にあたる位置を探し、指を置いてみましょう。
どうやらこの計4カ所が、条件に該当するものと思われます。
しかしながらこのコードフォーム、まったくの未経験者が挑むにはちょっぴり「作業」としては煩わしいかも知れません。
この楽曲が「B7」のコードひとつだけで成り立っているのならまだ良いのですが、他にもいろいろある訳ですし、音楽にするにはテキパキとコードチェンジする必要がある訳です。
指板上の運指よりもむしろ、弦を弾くほうの手指にこそ「音楽を奏でること」の可能性は秘めているということを踏まえれば、ビギナーの「指板上での作業負担」は少しでも軽くして差し上げなくてはなりません。
実は、まだ「作業」を軽減させる可能性が見当たるのですが……わかりますか。
先ほどの図をよく見て、その可能性を探り出してみてください。
ひとつ、ヒントを出しておきましょう。
Qactusの構造には、6弦を「ミュート(=音を消すこと)」する機能が備わっていることにお気づきでしょうか。
そう、つまり6弦です。
開放弦の状態にしておけば勝手に「ミュート」状態になるので、「2弦」と「5弦」と同じように「6弦」も開放状態にしておいて差し支えないのです。
本来なら自分の力で6弦を「ミュート」しなければならないところでしたが、幸いQactusの機能に助けられましたね。
この「ミュート」も、初期段階のビギナーを悩ませる煩わしい「作業」のひとつです。
さあ、これで、ビギナーの「作業」は指4本から3本に減りました。
たった指1本の違いですが、先ほどのコードフォームと比較すると、だいぶシンプルになったように見えますね。
とはいえ、依然「3本」です。
これでビギナーたちが何とかクリアしてくれることを祈るばかりですが、これでも挫折してしまう人は残念ながら大勢いるのです。
しかし、これ以上いったいどこをカットできるのでしょう。
ここからは少々手荒な方法で、何としてでもビギナーに手を差し伸べてみようと思います。
試しにみなさん、1弦に置いた指を離し、開放弦の状態にしてみましょうか。
この開放弦の音程は「レ」になりますが、「B7のコードと調和する音」の中には…残念ながら「レ」は含まれていませんよね。
一度このフォームで、いったいどんな響きになるか、実際に試してみるといいでしょう。
押さえる弦は「3弦」と「4弦」のみですが、指づかいに注意し、押さえてみてください。
どうでしょう?…ほら…ね?…気持ち悪いでしょう?
これがいわゆる「不協和音」というやつです。
「B7に調和しない音」がひとつ混ざっているんだから、不協和音になって当然。
しかし、なんと既にウェブサイトにアップされているQactusCoreの中には、「B7」をこのフォームで示しているものが存在します。
よほど登場するコードが少なく、前後の運指もたまたま都合のよい流れだったとしたら、もちろんこんなチョイスはしません。 しかし、そうでない時に、このような大胆な選択がセーフになることもあります。
いえ、「不協和音」にも、音楽的に心地よいものと、今回のケースのように全然心地よくないものとがあります。
今回の場合は、誰もが「気持ち悪い」と感じる「不協和音」なので、本来ならばアウトです。
ただ、これはちょっとふざけているふうに聞こえるかもしれませんが、ビギナーには「ビギナーズラック」という特権がございます。
実はギターにも幸い、そんなようなものがあるんです。
これは、まったくのギター未経験者の「ある傾向」をもとに「セーフ」という判断に至ったもので、通常ならば完全に「アウト」。
しかし、「まったくの未経験者」の手にかかると、なぜか「セーフ」になることが多いのです。
くどいようですが、もう一度言います、経験者である皆さんが弾くと「アウト」になります。
いえ、もしも経験者なのに「セーフ」だったとしたら、それはそれで問題なのですが……。
さて、そろそろタネ明かしをしましょう。
このフォームでコードを鳴らす際、まず人差し指と中指のそれぞれの位置に指を置き、必要な力でしっかりと弦を押さえ、そしてピックで6本の弦を「ジャーン」とやる訳ですよね。
しかしこの時、ビギナーは、そんなつもりなんて全然ないのに、なんとなんと「1弦」が「鳴らない」のです。
多くのケースは、知らぬ間に人差し指の付け根の辺りが1弦に触れてしまい、都合良く「ミュート状態」になるのです。
このような不備を逆手に取り、ビギナーにとって煩わしい「作業」を軽減させるという、ひとつの極端な例をご紹介しました。
ただ、中には、生まれて初めて触れたギターでもきちんと1弦を鳴らしてしまう人ももちろんいます。
そんなビギナーのためにも、「1弦は開放ではなく、試しに2フレットを押さえてみない?」と、ケースバイケースで微調整していく必要がありますが、先ほども触れた通り、QactusCoreには投稿者がメッセージを記す欄があるので、その辺りもぜひ活用してみてください。
そのような事情により、ちょっとギターをかじり始めてしまったビギナーは、ギターの扱いに少しずつ慣れてきてしまっているため、基本的にこのたぐいの突貫工事は「アウト」だと思ったほうがよいと思います。
ちなみに念のためですが、いろいろカットしたせいで「シ」と「ファ#」の音がない、つまり「ラ」と「レ#」しかない「B7」になっちゃってますね。
コード構成音の4音のうち、2つを失うと、確かにその響きはちょっぴり「薄く」なります。
目指すは当然「音楽」なので、叶うならば4つの音すべてを響かせたいところ。
しかし、Qactusを使ってギターに挑んでいる人たちは、「煩わしい“作業”のせいでなかなか前に進むことができない段階」にあり、ご存知の通り、実際にそのような理由によって大勢のビギナーが挫折し、無数のギターが放置されてしまっているという現状があります。
ならば少々コードの響きが薄くても、あるいは少々危うい音が混じっていたとしても、「そのコードに調和する音」を味わいながら何度も何度も弾き繰り返し、「音楽を奏でること」に到達できる機会に換えたほうがいい。
「音楽を奏でること」に到達できたビギナーは、「ギター、弾けるかも」という実感が後押しし、自ずとギターに触れる時間は増え、おかげでいつの間にか運指もスムーズになり、そして間もなくQactus卒業の時を迎え、以降「何にも頼らず自分の力で響きの良い音を弾いているんだ」という実感をエネルギーに換え、楽しく上達していきます。
ちょっぴり話はそれますが、このような「ギリギリセーフかアウト」の奇抜なアレンジによって、また、どのたぐいのコードかにもよって、時に不完全な響きとなってしまうことさえも実はQactusの特徴のひとつです。
ビギナーが今回のこのギリギリの「B7」の響きにストレスを感じたとしたら、それは決して悪いことではありません。
「作業」でいっぱいいっぱいのビギナーにとって「耳を使う」というのは実はそう簡単ではなく、どんな変な音が出ていてもまったく気づかないといった驚くべき事態は、残念ながら非常に多いケースです。
単に目の前の記号を指で追いかけて「指示の通りに弾いてますけど、何か?」なんて平気で言ってしまえる典型的な「“作業”に囚われたプレーヤー」たちの心の中に「このコードはどうかな?んー、じゃあこっちのコードはどう?」といった耳の上手な使い方を宿すための役割を、さりげなくQactusは担っています。
聴感上「ストレス」を感じるというのは「耳を使って演奏できている」証拠であり、「作業」ではなく「音楽を奏でること」を実践していると言えます。
さあ、ではそのストレスを「ポジティブなエネルギー」に変える方法、これを最後にひとつだけ紹介しましょう。
先ほどの一番最後の図をもう一度ここでお見せします。
「1弦ミュート」の状態(つまりビギナーズラックの真似)をキープしながら、この指示通りの「B7」を鳴らしてみてください。
これまでの流れでいえば、今ここで奏でられているコードの音はすべて「B7に調和する音」ばかりなので、「1弦ミュート」がきちんとできていれば「B7」の響きが得られる「はず」です。
しかし、実際はどうでしょう。
構成音そのものはどれも脱線していないにも関わらず、不協和音とも受け取られかねない微妙な響きであることが分かるでしょう。
ちなみにこの微妙な和音、もしもオリジナル音源と一緒に演奏すると、他のパートがうまく支えになるため、先ほどの微妙な響きが嘘のように何の問題もなくきれいに調和します。
なのでこのような奇抜なフォームはバンドアンサンブルなどでは大変有効なのですが、ひとりで弾き語りをしようとなると「気持ち悪い」と感じてしまうのです。
こんな時は、やっぱり何といっても「音楽のしくみ」に関する知識が何よりの助けになります。
可能なら、やはり理論書と向き合い、真正面からしっかり学ぶのが一番。
しかしながら、これで挫折してしまってはいけません。
挫けてギターをやめてしまうぐらいなら、勉強なんかしなくていいです。
助け舟をひとつ出しておきます。
もうすっかりお馴染み、「黄色い部屋」の表ですが、矢印が「何か」を示していることを確認してください。
コード構成音である3つ(あるいは、+トッピング)の音のうち、とくに弾き語りのようなシチュエーション…つまり「伴奏楽器がギターだけ」の場合、この表の「1行目の音」が「最も重要な音」となります。
この「最も重要な音」が聞こえてこないと、コード感は「軸」を失い、ボヤけてしまうのです。
今回の「B7」の場合、この表で見てみると、「最も重要な音」は「シ」ですが、例のフォームの中に「シ」は……
そう、ひとつも「無い」のです。
だから、「調和」する筈の音をしっかり鳴らしたのに「なんか変だぞ?!」と感じてしまった訳です。
ならば「シ」をもう一度探し直してみましょう。
「最も重要な音」はここにありましたね。 これを足してあげたら、今度こそきれいな「B7」が鳴り響く「はず」。
その「耳」を使って、しっかりとジャッジしてみてください。
「1弦ミュート」さえきちんと機能していれば、これでようやく、聞いていて何ら違和感のない「B7」になっているはずです。
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これを理解すればQactusCoreが作成できる、ギター経験者のためのQactusCoreガイドブック。このメソッドを学ぶことでQactusCoreを作成できるようになるだけでなく、コード構成音、テンションノート、ダイアトニックスケール、ダイアトニックコード、移調など、音楽理論の中にある非常に重要な部分を理解したことになります。音楽理論挫折者にもお勧め。
Qactusの機能や正しい使い方はもちろん、上達のためのコツや練習方法のアドバイス、常にビギナーに寄り添い続ける開発者きりばやしひろきのQactusに込めた思いや開発秘話など、より深くQactusについて知ることのできる公式ブログです。ビギナーの皆様だけでなく、経験者の皆様にも興味深くお読みいただける投稿が盛りだくさん。是非ご一読ください。