Qactus-カクタスが“ギターを簡単にするオモチャ”ではない証
- 2017.11.28
- Qactus-カクタス
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ギター弦の硬さについて
Qactusを装着すると、弦のテンション(=硬度)が少し高まります。
これは、Qactusを卒業したビギナーが新たなコードやフレージングなどといった更なる壁をスムーズに乗り越えてゆけるようにするための機構”です。
実は開発当初、Qactusは弦のテンションをむしろ柔らかく(=弾きやすく)する方向で進めていました。
しかし、Q-sai@楽器挫折者救済合宿をはじめとした様々な現場では押弦力の不足による挫折例も多々確認されており、「どの段階でその不足に立ち向かい、どの時点までに養成を完了すべきか」といった点においての考察の末、やはり、Qactusでのトレーニング段階で必要な押弦力を養っておくべきと判断しました。
つまり、指1~2本のみの極めてシンプルな作業でギターと遊ぶ段階で「しっかりと押弦する意識」を指先に宿すトレーニングを「無意識」のうちに積むのです。
ビギナーは、必ずやって来るQactus卒業後の更なる壁に対し、それを突破するために必要な修行として「作業は簡単だが少しだけ押さえにくい」というところで経験を積む必要があります。
Qactusの卒業段階で充分な押弦力が身に付いてさえいれば、強い状態で新たなステップに踏み込める訳です。
ギター上達において重要、且つ最適度な弦硬度とは?
ちなみに「硬い」とは言いますが、実は、Qactus使用時の弦硬度は、Qactusを外した状態のギターの1フレット上の弦硬度とほぼ同等の数値です(*ギターのナットの高さによって状況はかなり変化します)。
特に3フレット付近の弦の柔らかさを知るギター経験者たちには違和感があるかも知れませんが、「弦が硬い」と感じた皆さん、基本的にQactusの1フレットは通常のギターの1フレットとほぼ同じ硬さなんですよ。
言い換えるならば、Qactus装着時の1フレットをきちんと鳴らし切る押弦力がなければ、通常のギターの1フレットを正しく鳴らすことが出来ないため、ビギナーにとって最大の敵のひとつ、人差指1本だけで6本もの弦を最も硬い1フレット上で確実に押さえなければならない「F」コードなんか弾ける訳がないのです。
Qactusの1フレットにあたる弦の硬度は、ギター上達において重要、且つ最適度で設定されたものである、ということをきちんと知っておいてください。
弾きやすく調整されたギターほど弦は硬くなる
ちなみに上級者の中には自分の手でギターをカスタマイズする人たちがいて、紙ヤスリなどでナットの高さを極端に低くしている人もいますが、そういったギターの場合、Qactus使用時の弦はとくに硬いと感じます。
なぜならナットは低いほど弦が柔らかくなるのに対し、Qactusの構造上ナットが低いほどテンションは高くなるのとで、そのギャップで余計に硬度の違和感はあると思います。
しかしながらビギナーが自分のギターをいきなりナット調整してテンションを下げることなどまずあり得ないので、この点は無視してよいと思います。
また、どのメーカーのギターも出荷時の状態では上級者のようにナットを極端に低く調整されたりすることはないので、もしもQactusの弦硬度についてネガティブな声が出るとすれば、その出所はまさにこれらの知識を何ひとつ得ずにQactusを安易に試奏した上級者のみと考えられます。
実際、残念ながらこの機能の有用性に関する情報をオフィシャルから何も得ずにQactusを試奏した一部のギター経験者が「Qactusは弦が硬くて弾きにくい、全然ダメじゃん」と言ったコメントをネット上で発信しているようです。
なまじ経験者がそういった誤った情報を発信することで、何も知らないビギナーたちが「そうか、Qactusは弦が硬くなって弾きにくくなるから、全然ダメなんだ」と、オフィシャルの情報をまったく得ることなく、ビギナー自身の挫折克服のチャンスを逃している…といった実態もあります。
くどいようですが、Qactusはギター挫折者をゼロにするために生まれた、初期段階を乗り越えるための演奏補助ツールです。
自転車にスイスイ乗れる大人が、補助輪付きの自転車に乗れば「走りにくい」となりますよね。
水泳で50メートルを30秒以下で泳ぎきれる人が、ビート板を使えば「泳ぎにくい」となるでしょう。
ギター経験者がQactusを使って「弾きにくい」と感じるのは当然です。
なぜならビギナーを初期段階の崖っぷちから救い上げるためのギター演奏補助ツールなんですから。
演奏の上達に必要なストレス
とは言え、いずれにしても「弦が硬い」というのはプレーヤーにとって何らかのストレスになります。
しかしながらこれは上達に必要なストレスであり、何ごとに於いてもそういったものがあることは、皆さんもご存知の通りかと思います。
大切なのは、その必要なストレスをどう越えるかだと思います。
指先の忍耐力や感覚を得たのちに味わえる「押さえやすい」という喜びは、Qactus卒業後の更なる壁を乗り越える力になります。
この点からも、Qactusが「ギターを簡単にするオモチャ」ではなく「ギター挫折者をゼロにするツール」であることが分かるでしょう。
もしも「ギターを簡単にするオモチャ」…つまり通常のギターよりも弾きやすいものであったら、上記のような経験者からのネガティブなコメントは出なかったでしょう。
但し、そんなものを作ったら、Qactus卒業後のビギナーたちは新たな壁に打ち砕かれ、再び無数の挫折者の仲間入りです。
Qactusは、これまで世になかったものであるがゆえに安易な誤解が出回るのも多少仕方ないとは思いますが、救われるはずのビギナーが救われないのは非常に残念なこと。
この投稿がひとりでも多くのビギナーの目に触れることを強く願っております。
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