ギターで音楽表現を引き出すために(Qactus-カクタス)
- 2018.01.10
- QactusCore
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ギタービギナーに軽視される「ストラミング(=撥弦)」
ビギナーや挫折者に「ギターの何が難しいの?」と聞くと
- 頑張ってもF(のコード)がうまく鳴らない
- 自分は手が小さいからコードが押さえられない
- 弦を押さえる指先がジンジン痛い
…などなど、コードを押さえるほうの手(多くは左手、サウスポーギター使用の場合は右手)ばかりに言及しますよね。
みんなよっぽど嫌な目に遭ってるんですね。そんなに嫌ですかね、初期段階でコードが上手く押さえられないことが。
これまでの人生でまだそんな手の形をしたこともないのに、ちょっとギターを練習してみただけで、まるでそれを長年ずっとやってきたかのように動く訳はないんです。
コードなんて、ギターを数ヶ月あるいは数年でやめたりしなければ誰にだって必ず押さえられるようになるんですよ。
経験して初めて知る、ビギナーが知るべきこと
ビギナーの皆さんがいずれ上達し、ギターの本当の難しさを知ると、むしろ反対側の手である利き手の役割のほうが圧倒的に重要なのだと誰もが気付きます。
ドラムという楽器が世の多くの人々に「手足を別々に動かすことが難しい」と思われてるのとちょっと似ていて、実はドラムの難しさというのは「シンプルなリズムをいかに音楽的に叩き出すか」にあるんですが、スキルのない人から見たらそんなふうには見えないんです。
「スティービー・レイ・ヴォーンの押さえるFは最高だ」とは誰も言いませんよね。
「エリック・クラプトンのセーハは唯一無二だ」なんて言う人がいないのも、つまりそういうこと。
ギターにとって「コードを押さえる」というアクションは、そこに各プレーヤーの色が出る訳でもなく、「きちんと押さえられて当然であること」のそれ以上でも以下でもない、わざわざ簡単だの難しいだのといった議論を交わすまでもないことなのです。
実際にギターに命を吹き込んでいるのは「コードを押さえること」ではなく、もう一方の手が担う「撥弦」というアクションにあるんです。
撥弦は音楽表現の重要な部分を占めています。
だからこそQactusは撥弦の難しさや面白さを味わう前に挫折していくビギナーたちを救うため、「コードを押さえる」という作業を一旦後回し(正確に言えば同時進行)に…つまり、ギターを指1~2本程度の押弦で調和する状態にしたのです。
初級者ギターの近道は「真似る」こと
QactusCoreには投稿者のメッセージ欄があり、ほとんどの掲載曲は専用動画へのリンクによってストロークサンプルへと導かれ、「こんなふうに弾いてみよう」という具体例が示されています。
実は楽器挫折者救済合宿関連の現場でQactus開発者自身が長年たくさんのビギナーと接する中で明らかになった問題のひとつなのですが、一般の教則本などで示される紙面上の記号ではビギナーにそれらのニュアンスまでは伝わっていないのに加え、ニュアンスどころか結構な割合でビギナーが記号をうまく読めずに誤解したまま練習しているという傾向があります。
理想を言えば上手にギターが弾ける人が身近にいて、目の前で何度か生でお手本を見せてもらえる状況があれば良いのですが、そうもいかない人が多いからこそ泣く泣く演奏のニュアンスをスッパリと切り落とされ二次元記号化された出版物を頼りに自力で頑張っているんですよね。
その「目の前で何度か生でお手本を見せてもらえる状況」に限りなく近いものを多くのビギナーに提供するため、QactusCoreは「動画」という選択をしたのです。
何度も繰り返しその動画を見て「徹底的に真似る」という「感覚的な練習」が積めるようにした訳です。
これにより、記号では得づらい「音楽表現」の感覚が、たとえギターの先輩が身近にいなくてもきちんと宿るようになります。
ギターでの「音楽表現」を育む
「撥弦」と聞くと、アタック…つまり音の立ち上がる瞬間のことをイメージする人が多いと思います。
もちろん言葉の意味としてはそれで間違いないのですが、ギターはその「余韻」でこそ音楽表現をする楽器であることを、少なくともギターを弾けるようになりたいと願うビギナーの皆さんはきちんと踏まえておいてください。
多くの楽器に共通することですが、余韻の長さをコントロールするにはスキルが要ります。また、余韻の切れ目切れ目で音楽表現をするとなると高いスキルが要るんです。
板切れに針金が6本張られただけの「ギター」という名の無機物に命を吹き込み、「音楽」という名の生き物を引っ張り出すには、後者の次元にまで到達する必要がある訳です。
音の強弱も然り。更にそのコンビネーションによって無機的な6本の針金はいよいよ生き物になり始めます。
強弱と言っても、ピック(あるいは指先)を深く当てるのか浅く当てるのか、音色の芯を出すように弾くのかむしろ出さずにフワッと弾くのか、鋭い音色が欲しいのか丸い音色が欲しいのか、明るい音色を出したいのかあるいは地味なほうがいいのか、軽快に弾きたいのかヘヴィに弾きたいのか…などなど、「強弱」ひとつを取ってもいろいろです。
QactusCoreを通じて皆さんのストロークに音楽表現が宿り始めた時、「君のF、好きだなぁ」とは誰も言わないかも知れませんが「君の演奏、好きだなぁ」と言われる可能性は多分にあります。
その頃には、
- 頑張ってもF(のコード)がうまく鳴らない
- 自分は手が小さいからコードが押さえられない
- 弦を押さえる指先がジンジン痛い
といった例の要素も、実は悩むほどのことではなかったんだと気付けている筈。
ビギナーにこそ、この常識を知って欲しいですね。何より自分自身のために。
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